私は家を建てました 岐阜県恵那市/Mさん
施 工
㈲交告建設
目 次
堂々たる檜の家 昔は檜自慢 今は檜プラス高断熱自慢
快適さがプラスされたハイブリッド型和風住宅
建築主Mさんと㈲交告建設とは長い信頼の交誼
■東濃檜の伝統デザインの家
堂々たる東濃檜の家である。
住宅面積はおよそ80坪、木材はほとんどが東濃の檜が使われている。
南の軒に太い檜の化粧梁が東西に一本走り東からくる梁と角で組まれている。
垂木が寺社仏閣の軒を思わせる。
威風堂々という形容がしっくりくるこの純和風住宅に、車で走る人の目がゆく。
建築主は60代に突入したばかりのMさん。
Mさんは地元企業の会社員だが、地元公的機関でも活躍する。
いわば地元の民力を活気づける現役バリバリの人である。
東濃地方の伝統的和風住宅を建築したのも、その建築を地元の工務店に依頼したのも、これからの地域社会を堂々と背負って立つ意気の表れである。
東濃地方伝統デザインの家 しかし、備えた断熱性能は省エネ基準のはるか上を行く
■伝統的建築技法+断熱技術=ハイブリッド型
知らない人はこの家を「檜自慢の家」というかもしれない。
たしかに一昔前まではそうだった。
しかし、今は違う。
高断熱高気密という性能が加わっている。
いうならば「檜プラス快適さ自慢」の家である。
施工した交告 (こうけつ) 建設の纐纈(こうけつ)隆士専務は「現代版ハイブリッド型純和風住宅です」と笑って言う。
仕上げは純和風だが厳密にいうと純粋な伝統技法ではなく、断熱気密の施工があるから、そこは性能を優先して仕上げたそうだ。
ハイブリッドとは簡単に言えば「異種のものを組み合わせたもの」である。
高断熱高気密住宅の基本は断熱層気密層の連続である。
もちろん、木材が間に介在してもいいのだが、断熱気密に必要な施工が入ると従来の技法を変えなければならない部分が出てくるのだ。
それをハイブリッド工法と隆士専務はいう。
■開口部 ガラス機能の適材適所
開口部は壁に比べると性能が低い分だけ住宅全体の断熱性能に与える影響は大きい。
家の外観にも影響を及ぼすのでサッシ・ガラスに特にそれ相応の配慮をした。
まず和風なので基本的にはプラスチックサッシではなく引き違いをメインとし、アルミ樹脂の複合サッシを採用し色もブラックとした。
それが統一感のある外観をつくっている。
性能的には、ガス入りのLow‐Eペアガラスを採用し大きなガラス面積部の性能低下を防いだ。
また、夏の西日対策として遮熱効果の高いガラスを西面だけ使っている。
西側には深い庇を出して西日対策をしてあるが、夏の日は傾きかけてから長いのでガラスの効果も期待したのだ。
■断熱仕様と断熱性能
下表がこの家の断熱仕様である。
この断熱性能を省エネ基準の地域でいうと岩手県盛岡市の基準を十分に上回る。
外部に面する面積の大きな壁に120㎜の高性能グラスウールが使われるなど、全体にできうる限りの断熱を施工した印象がある。
こういう大型の家は、壁の断熱を甘くすると全体の性能が上がらない。
だから、例えば和風住宅によくある発泡プラスチック系の断熱材30㎜程度の外断熱工法で、などと考えたら、たとえそれが省エネ基準を満たしていたとしても、断熱性能は大幅に低くなるから要注意だ。
■出来上がった家の感想は『最高です!!』
こうして出来上がった住宅を施主のMさんは『最高です!!』 と手放しで喜ぶ。
勿論、夏冬を2シーズン過ごした上でのことである。
Mさんは高断熱住宅についての知識を元々持っていて、交告建設がその分野においても十分な実績があることを知っていた。
だから建築打ち合わせの当初から、冬暖かい家になると思っていたのだが、はたして住んでみると予想通りの暖かさだった。
一方、夏の涼しさはちょっと意外だったと纐纈さんに感想を言ったことがある。
夏の暑い日、エアコンもかけずに外出して戻ってみると家の中がヒンヤリしていたのだ。
『最高です!!』は、「身も心も健康に暮らせる家、それでいてずっしりとした高級感のある家」を望んでいたMさんの偽らざる気持ちだ。
■家のある風景が地域の印象をつくる
風景の中の家並みは、その土地の印象をつくることが多い。
例えば恵那の阿木地区で、家のある風景をはじめてみる人は、都市部では見ることのない白壁の家々にどんな人がどんな暮らしをして住んでいるのかと誰でも思うのではないか。
この地方の歴史とか文化とか、そういうものに思いを馳せるのではないか。
東濃は檜の産地であり、林業の盛んな町である。
M邸は東濃を訪れる人にそれを思わせるに違いない。
家並みが街の顔なら、その顔である家をつくるのは工務店である。
工務店のはたすべき役割も大きい。 そんな家が高断熱で建てられた。
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